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ご当地ソングをうたう旅 [ことばの元気学]

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話は変わりますが、はじめてハワイへ行ったときのことです。
夕暮れのワイキキの浜辺を一人で歩いていたら、とつぜん、ぼくの口から歌が飛び出してきました。

♪ は~れた空~ そ~よぐ風~
 み~なと出船の~ 銅鑼の音(ね)楽し~
 わか~れテープを~ 笑顔で切れば~ 
 の~ぞみ果てな~い は~るかな潮路~
 あ~あ~あ~あこがれ~の ハワイ航路~

ご存じ(かどうか知りませんが)、戦後の昭和23年(1948年)に岡春夫さんが歌って大ヒットした曲です。
当時、中学生だった少年は、この歌にしびれて、焼け跡で声高らかに歌ったものでした。
そうそう、この歌は先日亡くなった石本美由起さんの作詞ですね。

それにしても、数十年前に歌ったあの歌が、なぜ、ひょいと口をついて出てきたのか。いまや中年のオッサンになった昔の少年は、自分でもおどろきました。
さっき街のおみやげ屋さんで売っていた「憧れのハワイ航路饅頭」のせいだろうか。
いや、違う。
このハワイの「空気」が、ぼくのなかで眠っていたあの歌を誘い出したのに違いない。
そうだ、いい歌というのは、「空気」になって、大気中に浮遊しているのだ。
だから、その空気を吸うと、自然にそれが音になってからだの中から吐き出されてくるのだ……。

ひとりで勝手にそんなことを思ったのですが、それ以来、ぼくは旅に出ると、その土地の風景の中で、ご当地ソングをうたうのがクセになりました。

NHKの「わが心の旅」でイタリアのナポリへ行ったときも、ひとりでこっそりいろんな歌をうたったのですが、それはまた次に。
 


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