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こんな漢字はいらない? [ことばの元気学]

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これは、なんでしょう。
近ごろハヤリの漢字テストではありません。
そう、お国が来年から増やそうという「常用漢字」の候補191字の一覧です。
これを公開して、広く世の中の意見を聞こうということのようですが、いかがですか。
ご意見ありますか。
ぼくはあります。すごくあります。

まず第一に、いまなぜ常用漢字をふやす必要があるのか。よくわかりません。
いろんなところから、いろんな要望があるんだろうから、増やすんなら増やすでいい。
げんに、こういう漢字は使えるようにしたほうがいいと思うものもあります。
が、それならそれで、増やすことになった事情の具体的な説明をちゃんとしてほしい。
お前たちシロートはどうせわかんないんだから、専門家にまかせておけって顔が気に入らない。

第2に、増やすにしても、どうしてこの字なのか。そこがよくわからない。
「恣」なんて字より「嘘」という字を復活したほうがいいとぼくは思うのですが、なぜ「恣」なのかの説明もない。
「恣」に限らず、191字の1字1字について、なぜこの字を増やすのか、簡潔な説明をしてほしいわけで、
その説明がなかったら、なにか言えなんて言われても言えないじゃないか。

だいたい、省庁の役人のやり方って、こうなんですね。
本当は国民の意見なんか、聞く気がないの。そのくせ、口先だけは、「広く国民の声に耳を傾け」なんて言う。ホンネは、さっさと片付けたいんです。救い難い形式主義。

しつこいようですが、

なんて字が、どうして要るんですかね。
これって、「恣意的」というときくらいしか使わないでしょ?
ま、人にもよるでしょうが、ぼくは生まれてからいままで、「恣意的」なんてキザな言葉は、1度も使ったことがありません。
だから、というわけじゃないけれど、こんな言葉はなくなってもかまわないと思っているんです。
「シイテキ」なんて、耳で聞いただけじゃわからない。そんな言葉を使うより、「その場の思いつきで」とか言えばいいじゃないですか。


も、同じような理由で要らない。「真摯に」なんて、平気で言う人はヘンだと思う。キモチ悪い。
これも耳で聞いただけじゃわかりませんね。「紳士に」って、なんだろうと思っちゃう。
「まじめに」でいいじゃない、「一生けんめい」でもいい。カッコつけんな、っていうの。
「真摯に」なんて言ってる人が、「真摯に」やってるところを、いままでぼくは見たことがありません。

まだまだ、いっぱいありますが、疲れちゃった。
ぼくが言いたいのは、常用漢字の増えることで、日本語の表現が豊かになるのならいい。でも、逆に貧しくする危険もあるんじゃないか、ということです。
つづきはまた次回。
あ、ひまがあったら、あなたも「真摯に」考えてみてくださいな。
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