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続・西の復讐 [あんこ学]

前回のつづき。大阪ならではのケッサクCM選です。
これをみると、「くたばれ東京!」という大阪のエレルギーがいかにキョーレツなものかがわかります。

①大阪府
 (路上駐車を注意されたおばさんが警官に食ってかかる)
 「えー? みんな止めてるやないの!なんで私だけ言われなあかんのんな!失礼やわあ!
 (クルマのドアをあけようとするが、なかなかあかない)あけへんやないの、もう!」
 (ナレーション)おるおる、こういうおばちゃん。大阪の迷惑駐車。

②キンチョウ・ゴン
 (ちあきなおみが娘のセーラー服を着てたんすの前で踊る)
 匂わないのが 新しい
 たんすにゴン たんすにゴン
 匂わないのが 新しい
 あっ、センセイ、だめ!
 たんすにゴン 匂わないのが新しい
 あっ、だめ、センセイ!
 やまだセンセイ、だめ!
 あっ、たんすにゴン!
 (ナレーション)新防虫剤キンチョウ・ゴン

③ミスタードーナッツ
 (ダイニングキッチンで、娘がひとりさびしく「サンタでチュ」を持っている。)
 「ヒロシとマユミはサンタでチュ。カズオとクミコはサンタでチュ…」
 (父親がサンタでチュを持って入ってくる)
 「トシコ。お父さんとサンタでチュしようか」
 (娘は「ウウー!」とテーブルに突っ伏す)
 (音楽)いいことあるぞー、ミスタードーナッツ!

④日本食研
 (火事現場で3頭の牛が歌う)
 カンカンカンカン 晩餐館 焼肉焼いても家焼くな
 カンカンカンカン 晩餐館 焼肉焼いても家焼くな
 (ナレーション)焼肉するなら晩餐館。

⑤日清製粉
 (スーパーの店内)
客のおばさん「ほんまにうまいこと揚がんの?カラッと揚がんねんな。揚がらんかったら、二度と買  わへんでえ!」(と店員のおばさんに詰め寄る)
店員のおばさん「(猛然と反撃に出る)もう、奥さん、買わんでええがな、そんな言うんやったら!ゴ チャゴチャ言う奥さんやなあ、ほんまに!」(と客を押し返す)
(ナレーション)日清のこつのいらない天ぷら粉、揚げ上手。

⑥エルモアティッシュー
 (子ども部屋のドアをあけてティッシューの箱を差し出す母親)
「まあちゃん、勉強ばっかりしないで、たまにはティッシューも使いなさい」
 (ナレーション)ティッシューはエルモア。

⑦関西テレビ
 (テレビ局の中。誰もいないガランとした通路)
 (奥から、着物姿のクラブのママさんが、ホステスとバーテンをつれてやってくる)
ママ「関テレさーん!どこ行ったんや、みんな。ヤマちゃーん!オーちゃーん!ツケ払うてえな!困  るやんか!」
 (ナレーション)関西テレビは引越しました。扇町で会いましょう。

⑧どんでんねん
 (うどんを食べる岡田彰布と坂田利夫)
 「それ、なんでんねん」
 「うどんでんねん」
 「うどんのおつゆ、なんでんねん」
 「うどんでんねん」
 「うどんでんねんって、どんなんでんねん」
 「どんなんて、こんなんでんねん」
 「こんなんがどんなんでんねんなあ」
 「こんなんがどんなんでんねんでん」

こういうテレビCMは、ほんとは動く映像でお見せしたいんですが、そうもいきません。あなたの想像力で、そこは補ってください。
このなかのどれひとつとして、東京では作れません。仮に作っても、スポンサーからOKが出ない。こういうCMは、大阪という空気の中でしか生まれないんですね。ここには、人間という生き物の虚飾をとことん剥ぎ取って、その本質をリアルに見つめようとする目があります。それが、うわっつらのカッコばっかりつけたがる東京的広告への痛烈な批判になっている。こういう大阪のやり方を「身もふたもない」と嫌う東京人もいますが、さて、東西2国間のこの断絶を、どうわれわれはとらえていけばいいんでしょうか。
ところで、これはテレビCMですが、ほかの分野でも、こういう大阪ならではのものがいっぱいあると思うんですね。ぼくはCMのことくらいしか知らないので、知っている方はぜひ教えてください。
というわけで、次回からは、アンコロジイの核心に迫っていこうと思っていますが、さて、どうなることやら。

というわけで、きょうはあえて東京と大阪を避け、山口の銘菓です。「舌鼓」。山口の人に言わせると、これは値段が張るので、お遣い物としてしか、買うこともないし、もらうこともない。何かまずいことがあったときなど、これを持ってあやまりに行くと、すぐに許してもらえることが多いんだそうです。中は品のいい白あんでした。きょうはこれで許してね。


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スティッチの親分

きっと全く関係ない話なんですが、私には大阪に親戚のおばさんやおじさんがいて、私のいとこがおばさんに怒られてる現場を見たんです。
いとこが「おかん!そんなに言うんやったら吉本に入るでー!」って、おかんをおどしてました。
「吉本に入るとどうしていけないの?」って聞くと、「あれが一番効くねん!」っていとこが言ってましたが、いまだに意味が分からないのです。
アホの坂田さんみたいになってもええ~んか?って事でしょうか?
大阪のおばさんちは、いつも吉本新喜劇がテレビでやってたり、とにかくお笑い番組が多くて(汗;
だから大阪の人は必ず生まれつきの乗りつっこみができるんだと思います。
ある実験で心斎橋で子供が大阪の色んなおばさんからお年よりの方から、片っ端に「バキューン」ってピストルで撃つまねをしたんです。
そしたら、みんな「うぅ!やられたぁ~」ってリアクションしてました。
東京では、考えられないことですよね。
すいません。全く関係ない話で・・
by スティッチの親分 (2006-01-31 01:36) 

よもだのよむ

久々にコメントを書きます。晩餐館のCMは私が小学生の頃、友人たちの間で流行っていて、踏切が「カンカン」と鳴るたびに口ずさんでいました。懐かしいなぁ~。

現在、関西在住の私が大阪に降り立って、初めて見た広告が、
「ちかん、アカン」というポスターでした。
大阪ならではの言い回しだなと、関心したものでした。
たぶん、元々関西の人ならすんなり入ってくる表現なのでしょうが、
よそから来た私には、標準語のそれよりも警告のレベルが強く思えて、ドキッとしました。新鮮に思えただけかもしれませんが。

広告の中心は東京だというけど、地方にもおもしろくて、良いCMはたくさんあると思います。
「広告批評」のLOCO-CMで紹介されるCMを楽しみに読んでいます。
今月号は、タイムリーにホリエモン主演のCMが紹介されていました。
私は生で1度しか見たことがありませんでしたが、もう放映中止になったそうです。温かみのあるCMでしたが、逮捕されちゃあイメージが悪いですからね。
by よもだのよむ (2006-01-31 12:23) 

シャトラン

懐かしい。僕が小、中、高の頃に流れてました。
改めてこう紹介されるとすごいですね。当時はこういうCMが当たり前だと思ってたので、今考えると贅沢です。
あと、大阪らしいものということですが、
テレビのニュースで、年末の帰省ラッシュのインタビューやってますよね。
新幹線に乗り込む男の子が、
「これからどこ行くの?」
「おじいちゃんの家。」
「行ったら何するの?」
「金、金や。目的は。」
と応えてたそうです。
by シャトラン (2006-01-31 15:10) 

もんもん

晩餐館のCMは東京でも流れてましたね。
今でもたまに見かけるような気がしますが、もうやっていないのかな?
あれは大阪のCMだったのですか。
通りでノリが違うと思いました。
わたしは関西に住んだことはありませんが、あのCMは大好きです。
by もんもん (2006-01-31 20:32) 

わかば

だいたさんではありませんが、私だけ?でしょうか。日本食研の牛が歌っているCMが、「バンサンカンカン 晩餐館 焼肉焼いても肉食うな」だと思っていたのは…
お恥ずかしい…0(><;)(;><)0

それと話はかわりますが、今日霧の森大福を食しました。抹茶のほろ苦さが絶妙でした!!
松山でもなかなか手に入らなかいのですが、松山城へ続くロープウェイ街に霧の森大福を売っているショップがあります。その上にある、ジャズの流れる喫茶店でおいしいコーヒーと一緒にいただきました。ちょっと贅沢な時間をすごすことができました!
by わかば (2006-01-31 20:32) 

ミメイ

お初に書き込みさせて頂きます。ウチの亭主は関西を離れてもう40年も経つというのに、今でも時々「ずぼらや」のCMソングを口ずさんでいたりします。「ずぼらや」という店名だけでもすごいのに、その歌がまた、なんやそれ、というもので、一度聞いたらもう耳から離れない。今ではあたしもつい鼻歌で「新世界のずぼらやで~、ずぼら連中あつまって~」と口ずさんでしまっています。「引越しのさかい」もそうでしたけど、関西のCMは一度見聞きしたら忘れられないものが多いような。きっと、よけいな飾りがないだけに、カラダにじかに飛び込んでくるんでしょうね。
上記のCM、⑦以外は、みんな見た憶えがあります。東京でも流れていたのかな。それとも関西に行ったときに見たものが脳裏に焼きついているんでしょうか。⑦も良いなぁ。見たかったです~!
by ミメイ (2006-01-31 22:43) 

ヤマガミ

⑦ 、傑作です。
..........ダメやん。 って、言ってしまう。
見たこと無いが。 相当みたい。

『舌鼓』の話、じっさい使わせてもらいます。今度。
なんかあったときに。

あんこ。 あんこは、私は「あんこ缶」です。
あれを朝食べるのが好き。牛乳と一緒に。
熱いお茶と食べるんは、食後です。
おいしい あんこ入りお菓子。食べれたら食べたい。
婆ちゃんの作った、「おはぎ」もサイコーに旨いです。
食べられるものなら、また食べたい。
あの いびつさ。

また「旨いもん」と、よか「はなし」きかせてください。
by ヤマガミ (2006-02-01 02:43) 

kazuo

今日初めてここに来ました。

大阪という訳ではないのですが、私は山口に本社のあるデザイン会社に勤めているのでます。やはりみなさん乗りが違いますね。
今度出張に行ったときは「舌鼓」探してみます。

しかし、以前勤めていた会社に大阪出身の方がいらっしゃったのですが、大阪は1,2年前なかなか仕事がなく就職難だったらしいです。
大阪の人にはがんばって、それには負けず名作を作り続けて欲しい物です。
by kazuo (2006-02-01 13:05) 

gillman

ちょっとお久しぶりです。
 東西問題ですね、これって僕の生涯の関心ごとでもありますが…
僕は親父から「箱根を越えたら鬼がいる」と教わって育ったものだから根っからの関東人です。昔はこてこての大阪弁が気になって仕方なかったんですが、今は東京弁がそうであるようにひとつの地域の言葉として冷静にきくことができますね。(今でもテレビで何時間もお笑い系の関西弁を聞かされるとちょっと辟易しますが)
 でも関西文化はさすが伝統がありますね。僕の従姉妹は東京から関西に嫁に行って、五年位して会ったらすっかり関西人でした。一方、関西から東京に嫁に来た叔母さんは50年たっても未だにこてこての関西人です。(関西といっても従姉妹も叔母も神戸ですが、僕には大阪との違いは余りわからないのですが、「まるでちがうっ」といつも叱られますが)
 東京で大阪弁を聞いていると「どや、こんなんでけひんやろ!」と言っているように聞こえます。東京はあまりそう考えていないのに、大阪はいつも自分を東京と比べているような気がします。それが天野さんの言う大阪の復讐につながっているのかも知れませんね。最近は、こてこてで、本音風であることが大阪のプライドなんだと思っています。
 東京はどうかというと、東京のプライドは「やせ我慢」なんです。それが外から見ると見栄だとか気取りだとかに見えるかもしれないけど、自分たちの心の中では「心意気」なんです。そして同じ目線の人間からみると「あいつ頑張ってるな」と見えるんですね。
 だけど今見えている東京は、僕から見ると見栄や気取りがまかり通っているように思います。「シノノメ?、オダイバ? 馬鹿言ってんじゃないよ、あんなハゼ釣りに行ったようなとこに住めるかよ」というのが本音ですが、テレビでみると素敵なところに見えるし、これが東京だって顔をしている。六本木ヒルズだってあそこに住んでいるのは、成功したり失敗したりすれば帰るところのある人ばかり。「とりあえず東京にいる人たち」が作っている世界だけが東京ではないんですね。(もちろんそれはそれでニューヨークのようにエキサイティングな都会の世界を作っているし、東京はそこからエネルギーをもらってもいますから否定はしません)
 大阪はそんな都会としての東京に復讐しようとしているんじゃないでしょうか。しかし東京には土着としてのもう一つの顔もあることも知ってほしいと思います。東西があることがこの国をとても面白くしているんだと思います。
by gillman (2006-02-01 16:45) 

あまの

「スティッチの親分」さん。いいねえ。「そんなに言うんなら、吉本に入るでえ」なんて、面白いおどしですね。いまなら、「入れるもんなら入ってみい」と言われるでしょうが。心斎橋で子どもが「バキューン!」と銃をうつまねをすると、通行人がみな「やられたー」と倒れるまねをするのも、大阪ならではですね。東京だったら、無視また説教です。

「よもだあのよむ」さん。ありがとう。「ちかん、あかん」はすごい。こういうポスター、全国に張りたい。

「シャトラン」さん。いやあ、かんげき。帰省列車「に乗る子が、「金、金や、目的は」なんて。それでこそ、大阪っ子ですね。

「もんもん」さん。あの会社は四国に今治にありますが、CMを作ったのは大阪電通。で、CMは全国に流れました。

「わかば」さん。「霧の森大福」はおいしかったですか。やっぱり、ぼくと若い人とでは好みが違うのかなあ。あ、そうそう、焼肉は焼いたら、肉を食べてくださいね。


「ミメイ」さん。ようこそ。「ずぼら屋」のCMソングは知りませんでした。習います。覚えます。

「ヤマガミ」さん。かなりのあんこ好きですね。つぶあん派ですか、こしあん派ですか。いずれにせよ歓迎です。

「kazuo」さん。「舌鼓」はけっこう高いですよ。ぼくは「ういろう」のほうがうまいと思いました。

「gilman」さん。関西の人も、「箱根をこえたら鬼がいる」と言ってます。面白いですね。「関東人はすぐ関西人になるが、関西人は永久に関西人である」というのも面白い。シノノメやオダイバじゃない東京があるというのもまったく同意見で、次回はそのことを書くつもりでいます。またのぞいてください。
by あまの (2006-02-01 21:14) 

tami

うわ~もう、天野さんのコメントが終わっている!まだいいですかね。

朝の情報番組の「めざましテレビ」っていうので、7時台の企画に「めざましどっち」っていうのがあります。
毎週水曜日の7時20分くらいなのですが、来週のめざましどっちのテーマがあんぱんのあんはこしあんかつぶあんかなんです。
これを企画した方は、きっとこの天野さんのブログのファンの方じゃないかと思います。
来週見たら報告しますね。

ところで、キリンの端麗グリーンラベルのCMで筒井さんがバス停で待っている女の子にボールを投げるマネをするんだけれど、大阪の人はほとんどの人が打ち返すまねをするそうですね。のりがいいんですね。
でも、家にずかずかって上がってこられそうで少しこわいようなイメージが。(ごめんなさい関西の方)
でも、東京の人も電車の中で高齢者に眠った振りして席変わってあげなさそうなイメージが。(ごめんなさい関東の方)
で結局は、九州が一番って思うわけなんだけど、でも九州のイメージは他所から見るときっと余りよくないだろうなって思うわけで・・・。
何がいいたいのかわからなくなってしまいました。ごめんなさい。
by tami (2006-02-01 23:05) 

あまの

「tami」さん。ぼくが端麗グリーンラベルのあの女性だったら、デッドボールで倒れるまねをします。だめかな。
ところで、九州の人って、県によってばらばらで、ほんと、よくわからないですね。四国も四県四様ですが、香川は「へらこい」、愛媛は「よもだ」、高知は「いごっそう」という土地言葉のなかに、それぞれの気質があらわれているような気がしています。
by あまの (2006-02-02 00:19) 

めがね

こんにちは。はじめまして。
大阪に住む大学生です。
関東の「suica」のテレビCMを見たときは、
関西の「ICOCA」との違いに驚きました。
同じ形式で、同じ会社のものなのに
こんなにも表現方法がちがうとは。
カルチャーショック!
by めがね (2006-02-04 04:43) 

hama

ああ、すいません。
別のところへ書き込みしていて、じっくり読んでたら、なんと!舌鼓!
山口県民の私、ここにも書き込みせねば、と書き込んでしまいました。
外郎、ではなく舌鼓とは!(なぜ、そこにこだわる?)
あんまり、食べないんですよ、舌鼓。
山口では外郎はよく食べるのに、名前だけはポピュラーな舌鼓。
私だけ?そう思うの?

私、友人に「どんでんでんねん」坂田さんキーホルダーをもらいました。
それは、ボタンを押したら、「ありがとさんさん、さあうどんはどんでんでんねん」(確か、間違っていたらごめんなさい)というもの。
なぜか落ち込んでいるときに聞くと、ばかばかしくて元気がでます。
日本食研の焼肉焼いても・・・も関西だったのですね。全国だと思い込んでいました。牛主婦さんたちの、かんかん、自然にフレーズ出てきます。
なんか、どどーん、って感じなんですよね。大阪って。
引越しのサカイとか、沢口さんの箪笥にゴン、もそうなんですけど。押して押して押して、突っ張るっていうような。庶民の力強さ、を感じて。
だから楽しいのかなあ。
すいません、言葉足りなくて。
by hama (2006-02-07 01:10) 

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