SSブログ

国会改革名案集 [ことばの元気学]

1yoko.jpg

(上の絵は横尾忠則さんの「新東京絵葉書」広告批評刊から。写真は上下逆、文字は裏返し。間違いではありません)

5日間にわたる「広告批評」のイベントが無事に終わって、ほっとひと息ついたところです。遊びに来てくださったみなさん、ありがとう。

それから、国会改革の名案・迷案も、たくさんありがとう。
同じような趣旨のものは、こちらで一つにまとめて、さっそく発表させてもらいます。

でも、その前に―。
ぼくのブログの記事とは関係ないことなんですが、先日、麻生さんのことで朝日新聞にぼくがしゃべったコメントに対して、たくさん質問やご意見をいただきました。で、簡単にそれにお答えしておきます。
「麻生首相は、世論調査での支持率は低いのに、テレビに出ると高い視聴率がとれるのはなぜか」というのが、ぼくがもらった質問の主旨でした。
それに対してぼくは、ざっとこんなことを、15分ほど話しました。
「視聴率を上げているというその番組では、麻生さんは政治家というより、タレントとして利用されているんでしょう。視聴率主義のとりこになっているいまのテレビがよくやるテで、世間でマイナスのイメージを持たれている人を、あえて面白がって人気者に仕立て、それで視聴率をかせごうとする。おばかタレントに対する人気もそんなケースの一つですね。茶化していれば楽に視聴率がとれるいまのテレビの中で、麻生さんは負の人気者になっているんだと思う」
念のために言っておきますが、ケースとして似ているとは言いましたが、麻生さんがおばかタレントであるとは言っていません。
いまのテレビの行き過ぎた視聴率主義や過剰な商業主義が、テレビ本来のあり方をゆがめているというテレビ批判を、これまでもぼくはしつこく続けてきましたが、これも同じ線上にある発言であって、そう読み取ってもらえなかったとしたら残念です。
(あ、これは麻生さんとはまったく関係のない話ですが、ぼくは、おばかタレンといわれる人たちが決して嫌いじゃない。あの人たちは、世の中の利口ぶった人たちを逆に笑っているようなところがあると思うからです。)

さて、お待たせ、「国会改革名(迷)案集」です。

①議員の世襲を禁止する。
(どうしても出たいときは、選挙区を変えて出ることはできる)

②料亭での政治家の話し合いをテレビでナマ中継する。
(大切な話は、酒抜きの場でやってもらう)

③議場内にお坊さんを数人配置し、居眠り議員の背後から「喝」を入れてもらう。
(その場面はテレビカメラのアップで撮りたい)

④外国との間に「交換議員制度」を設ける
(外国人の前ではみっともないので、乱闘の抑止効果が期待できる)

⑤閣僚や議員の記者会見には、必ず嘘発見器を設置する。
(テレビの中継画面の片隅に、そのデータが入ると、なおいい)

⑥閣僚には、一定期間、一般家庭へのホームステイを義務づける。
(受け入れ拒否の家庭が続出する危険を避けるため、迷惑給付金を出す)

⑦首相経験者は、その職を辞したときに、議員をも辞することにする。
(院政なんて陰性なものは一掃する)

⑧参議院を廃止する。
(党議拘束されてるような参議院はみっともない)

⑨最高裁判事の国民審査と同じようなことを国会議員に対しても行う。
(毎年1回、〇✕で)

⑩国会議員の数を半分にする。
(ひとりひとりの顔が国民によく見えるようになる)

⑪国会議員の男女比を半々にする。
(よくわからないが、よくなるような気がする)

⑫議員は各世代から、世代の人口比で選出する。
(年よりの議員が減って、議会が若返る)

⑬政党はすべて解散する。
(国益より党利党略が優先するような政党なんて要らない)

⑭国会議員を毎日ひとりずつ「徹子の部屋」によび、徹子さんに人物分析してもらう。
(政治家を見る目が肥える。田原総一朗さんではやばい)

⑮外国からすぐれた政治家(オバマさんみたいな)を輸入する。
(ゴルバチョフさんなら、いまヒマだ?)

⑯投票はインターネットでもできるようにする。
(投票率アップ間違いなし)

⑰選挙資金は一律に国から支給する額を超えてはならない。
(清算は領収書添付のこと)

⑱ネット上に「もうひとつの国会」をつくる。
(選挙演説はYouTubeで)

まだありますが、まずはこのへんで。
それにしても、みんな、うまいなあ。





nice!(3)  コメント(18) 

nice! 3

コメント 18

銀鏡反応

前回のエントリーで、天野さんの発言の真意が読み取れなかった人の意見が多かったことについては、私もとても残念に思っています。

実は私も、天野さんのご発言を拝見しましたが、決して麻生氏その人を悪口する内容ではなかった。むしろ天野さん流のユーモアがあふれて、おぉ~、と感心したものです。

過剰な商業主義、視聴率至上主義が、メディアの「王者」だったはずのTVを限り無く劣化させていった。そのことが最近のTVを見ていると、私のような者でもよくわかります。

先日聞いたラヂオ番組で、美輪明宏さんが、最近のNHKには現代人にとって有益な、教養を高める番組が多数放映されているから、是非観てほしいと言われていましたが、それを聞いて、民放も我々が本当の教養を持てるような番組を作らなければ、先細りになっていくだけだろうと思いました。
by 銀鏡反応 (2009-03-20 15:15) 

heiza

広告批評のイベントお疲れ様です!!
今更ですがイベント、行きたかったなあ…(そのもよう選挙演説とともにYouTubeなんかでみられると良いんですが笑)。


前エントリーのコメントに紛れた一件ですけど
僕は利口ぶるなんて言ってしまったけど、
このエントリーでいいたいことを代弁してくださったのでうれしいです。

そして、稚拙な考えではありますが、一つ提案、

議員全員日誌(ブログのようなものなど)を付ける。
それに対するコメントもちゃんと対応する(少なくとも受け付けないことがないのは大前提)。

by heiza (2009-03-20 16:59) 

satsuki

さすがに売文業。今回は慎重ですね。
ところで朝日の記事では「テレビのクイズ番組でやたらに珍回答をするおバカタレントが人気だが、麻生さんへの関心もこれに似ている」とあなたは言っている。やたらに珍回答をするおバカタレントが暗に誰を指すのか、あなたのブログを読めば一目瞭然ですが・・。さて「アソーさん」の言葉尻をとらえてさんざん虚仮にしていた人は誰でしょう?
by satsuki (2009-03-20 19:45) 

qwerty

>「視聴率を上げているというその番組では、麻生さんは政治家というより、タレントとして利用されているんでしょう。」

なるほど。これが朝日の記事になると「麻生さんは政治家というよりタレント」という文章になると。動作主体がわからなくなると、意味合いが変わりますね。
本エントリーでご回答いただき、少なくとも本件は、ワイドショーのコメンテーター的発言とは少々異なるものだったと理解致しました。よって、本件への批判は取り下げます。不快な物言いがあったとしたら、申し訳ございませんでした。

その上で、私の考えを以下に述べます。


>いまのテレビの行き過ぎた視聴率主義や過剰な商業主義が、
>(中略)
>そう読み取ってもらえなかったとしたら残念です。

私は、朝日の記事に対する批判は取り下げますが、天野さんの政治スタンスには反対です。そして、本件をメディア論にすり替えて煙に巻くのはどうかと思います。
 
確かにメディア論の角度だけで読むと、そう解釈できるのかもしれません。しかしこれは政治欄の記事です。そこで首相に言及されている以上、背景を推し量るならそれは政治的な角度からになります。すなわち、「天野氏はどういう政治スタンスに立っているか?」ということです。そして、発言の真意を確認したくてこのblogに来たのが、ここ数日の訪問者でしょう。私もその1人です。
 
私は判断材料として過去半年分の政治系エントリーを拝見し、その結果として、朝日の記事は天野さんの意思から遠く離れてはいないと「読み取」りました。天野さんは...
 
中川さんについて「一身上の都合はおかしい」と不毛な揚げ足取をしてみたり、挙げ句は奥様まで皮肉ってみたり。また、政治を変える策として「国会議員を毎日ひとりずつ「徹子の部屋」によんで、徹子さんに徹底的に人物解剖してもらう」と言ってみたり(「遊び」だとしても、これ以上政治をバラエティー化してどうするのかと...)。そしてそこにつくblog閲覧者のコメントは、「室井佑月etc..も真実を見抜きます」云々。。。。
さらに遡れば、ご本人からも「とにかく一度政権交代を」と、民主党員のような書き込みがある始末。「あぁ、(政治的には)完全にマスメディア寄りだ」と解釈したわけです。政治に対する批判が、総じて情緒的なんですよ。
 
朝日の記事は発言が編集され、ニュアンスが変わっていました。しかし結果的に、天野さんの政治スタンスとたいして変わらないベクトルだったのではないでしょうか。blogも含めてそう見えたからこそ、多くの方が批判していたのです。それは単なる読み違いなどではありません。

それを、メディア論に話をすり替えて「読み取ってもらえなかったとしたら残念だ」ととぼけるのは、ちょっとズルいんじゃないでしょうか。
by qwerty (2009-03-20 21:05) 

長崎県民

上記のご説明を拝見させていただき私自身は納得させていただきました。また、だれかがおっしゃってましたが朝日新聞ということを十分に考えるべきであったと反省しております。

ただ、むりやり曲解(メディア批判を政治批判に昇華)を行ってしまう朝日(毎日もですが・・・)はやはり最低だなと思いました。

僭越ながらこういったメディアには純粋に質問の話を返すだけでは危険だと感じました。今回の件もそうですがそういった曲解には自衛策を講じられた方が・・・と思ってしまいました。

一旦はこれ以上の論議については私は行わないようにいたします。丁寧にご回答いただきありがとうございました。
by 長崎県民 (2009-03-20 22:43) 

rio

こんにちは。

名案・迷案さまざまですね。笑ったりなるほどと思ったり。お気に入りは、2番と5番です。「料亭で数万円を払ってメザシを食ってる」などと報道されたことがあったように思いますが、生中継が入れば、それなりの(食べたくもない高いもの)を召し上がるようになるのでしょうか。

ウソ発見器もいいですね。ただ、政治家の答えが「いいえ」に限定されてしまうという新たなハードルもありますが(笑)

そういえば、先日、民主党のほうの鳩山さんが「世襲禁止」を言い出したのでたまげました。その関連で(例のごとく)自民党の一太もコメントを求められ「世襲は禁止するべきです」と”激白”してました。

お二人とも世襲議員のど真ん中を歩んできた方。「真摯」だと見るのか、「風見鶏」だとみるのか、難しいところです。こういうときこそ、ウソ発見器の出番ですね。
by rio (2009-03-20 22:48) 

とし

あれから、ブログの論議をみていて、僕も本当に求めているものは何だったのか自問していましたが、僕は今の(というか、いつの時代もその方が望ましいと思います)政治を遊びの対象にしなくていい世の中こそ求めます。元来、不正も不祥事もないに越した事はないのですから…

だから僕が前回コメントした
>政治家は半年派遣村で暮らす

というのも、現実には家や職業のない人達も真っ当に暮らせるようになり、またそういう中から、本当に人の痛みをわかる人達が世に出て国を動かしてゆく事こそ、真に面白いことなのではないかと確信した訳です。


またこのブログについて。
誰だったか忘れてしまいましたが20年ぐらい前、ある作家さんで「日本の笑いを例えたら、小学三年生ぐらいだ」と言われた方がいました。恐らく、それが日本全体の精神年齢として論じた話ではないかと思います。

僕は、この国の政治を遊びの対象にしたい訳でもなく、またあなたを批判したい訳でもありません。世に不始末が起こったり、それを娯楽として不必要に求めない事も理想ですし、またそういう基本姿勢こそ、より高尚なユーモアも現れるのではないかと思います。

天野さんの、より賢明な姿勢が今後の言動に現れる事を期待します。
by とし (2009-03-21 03:36) 

Tenten

朝日新聞の件は理解いたしました。

金銭感覚がない、漢字も読めない、ばらまきの定額給付金で経済音痴などと報道され、世間では負のイメージがついた麻生首相を、視聴率を取る為にテレビが利用しているという理論ですね。これは大変な一石二鳥ですね。

私は麻生総理に対する報道が公正だとは思いません。彼の業績がメディアの報道では見えませんし、私は米国在住ですが、外から見る限り政策についての落ち度は少ないですし、これほどバッシングされるのは大変疑問です。

日本は大国です。世界に対する影響力も大きなものがあります。隣国の経済危機や覇権主義など対外勢力から国益を守るべく対応しなければなりません。

天野さんにお聞きしたいのですが、その大国の総理がメディア主導で、政策とは何も関係なく、庶民の目を引くような失言や一風変わった言動でバッシングされるのは正当だとお考えでしょうか?
これは視聴率主義や商業主義とは私は異なると思います。
特定の団体や人間がわざと言論を扇動している可能性はあるのではないかと思います。

この流れで話が進んできているともしお考えならば、
朝日の質問にたいする答は、
「メディアに扇動された人たちが、引き続き麻生首相に負のイメージを持って注目している」になるのではないでしょうか。

もし天野さんが、メディアの首相のバッシングなんか全然なくて、彼が間抜けでバカで経済も政策も全く駄目だから国民から総批判されています。そんな負のイメージの人に注目しているだけです、というご意見ならば、お答には整合性が取れますので納得します。
by Tenten (2009-03-21 05:48) 

gillman

うーん、とりあえず⑥がいいですかね。一般人レベルの生活をしていないと国民の本当のニーズなんかわかりはしないと思いますね。
若い頃、国会議員の秘書のような仕事をしたことがありますが、議員会館から目の前の議事堂に行くのも黒塗りの車に乗って、周りからは「センセ、センセ」と言われるような生活をしていたら本当のことなんて見えてくるはずがない。国会議員は電車で通え。まずそこからやるべきだと思いますね。

by gillman (2009-03-22 10:44) 

課長007

お恥ずかしいネタ記事ですが、引用リンクさせていただきました。

by 課長007 (2009-03-22 13:02) 

サイト売買

無理せず頑張ってね☆
by サイト売買 (2009-03-23 15:27) 

とくさん

お笑い番組で、イロモネアでしたっけ。

100人の中から、5人任意で選ばれ、
彼らが笑えば、次のお題へ、、、。

国民の何人かに、任意にモニターになってもらい、
ある一人の国会議員を採点してもらうような、
システムがあると、いいかなあ。

国会中継か、テレビ討論会とかで判断するとか、
何かで、議員のみなさんを採点して、
点数化されていくみたいな。
うーん、もっと考えてみます。。。
by とくさん (2009-03-23 23:06) 

かつてのあなたのファン

実は天野さんの良識を信じたい。ここに上げられたマレーシアの新聞記事を読んでください。http://koramu2.blog59.fc2.com/blog-entry-384.html#comment
麻生さんの「とてつもない日本」もぜひ目を通してください。180ページの新書版です。
by かつてのあなたのファン (2009-03-24 02:21) 

クマクマ

政党はすべて解散する。

大政翼賛会ですね。
ありがとうございます。
戦前の日本に対する批判は2度としないでくださいね。

by クマクマ (2009-03-24 23:57) 

ここみ

初めまして。

今日はどんなことが書いてあるのか、
ブログの更新をいつも楽しみにしています。

お仕事頑張って下さいね!

by ここみ (2009-03-26 15:35) 

粋なばあさん候補生

初めまして。シンポシオンの最終日、一番乗りで会場入りし、最前列のど真ん中で皆さんの雑談を伺がった者です。
飄々として洒脱、とでもいうのでしょうか「世の中厳しいのは当たり前。それでも肩の力を抜いて行きましょうや」という感じが伝わってきました。さすがに雑談なので、内容はほとんど覚えていないのですが、人生捨てたもんじゃないな〜と、風呂上がりのような良い心持で帰路につきました。
イラストレータとして、広告の隅っこで生きているので、たま〜に「広告とは?」なんて考えることもあるのです。
有っても、無くてもいいようなものだけれど、時代の「気分」は変えられるんじゃないかな〜と思っていて、これは自分の考えだと思っていたんけれど、もしかしたら、天野さんに洗脳(?)されたのかも知れませんね〜。真面目で道徳的で野暮な人も、それはそれで価値がある。でも、それだけじゃ息が詰まっちゃっていけない。粋なじいさんが居なくっちゃ!
by 粋なばあさん候補生 (2009-03-27 12:40) 

グリコ

私は9番、というより「とくさん」の意見に賛成です。
できれば、査定項目をあらかじめ設定しておいて、議員一人につき、
任意に選ばれた国民数名がそれらの項目にそって評価し(当然誰が誰を査定するかは、議員には内緒)その評価次第で
議員の年棒を決めたらいい。
そのためには、議員数が多すぎるから減らさないといけません。

あとは gilmann さんの「国会議員は電車で通え」に大賛成!
会社員時代、毎朝40分以上ぎゅーぎゅー詰めの車内で体力を使い果たし、会社に付く頃にはエネルギーが残っていない状態でした。
なのに、我々が「託した」税金からお給料をもらっている国会議員は専用車で楽々通勤。
ある日、満員電車の車内で両隣の人の重さに耐えながら外を見ていたとき、ふとそんなことを考えたら、むしょーに腹が立つというか、馬鹿らしくなってきて、会社員はもうやめる!と思い、数年後実行に移しました。
by グリコ (2009-03-29 17:08) 

doridorimidori

少し前に前田知巳さんの宝島社の広告でそういうものがありましたね。
http://futuretext.co.jp/main.html

オヤジ→ベテラン とか、
道路公団→迷路公団 とか、いいなあ・・・(笑)

呼び名を変えるだけでポジティブで透明性のある雰囲気になりますね。

私にとって批評というのはやっぱり肩に力が入ってしまうものですが、
この名案集のようにぐるぐる考え(単なる妄想ではない、もっと気合の入ったもの)をめぐらせてみたいです。
by doridorimidori (2009-03-30 09:09) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

ちょっとCM吾輩も犬である ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。