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鼻をきかす [ことばの元気学]

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弁当用の冷凍食品の賞味期限を、なんと除光液で消して出荷していた。
このニュースを聞いて、ホント、びっくりした。
へえ! すげえ! 除光液で消えるんだ!
ま、聞いてしまえば、そりゃ消えるだろうなと思うけど、思いついた人にはノーベル偽装賞をあげたいと思う。

ところで、商品に賞味期限なんてものを入れるようになってから、ぼくの鼻はどんどん退化してしまった。

♪ くさーいにおいの ごはんとみたら
 たべなさるなよ どくがある
 ようじんせえ ようじんせえ

という歌が戦争中にあって、いまもぼくはその歌を鮮明におぼえているのだが、おそらくそれは、なにかにつけて母が、食べ物のにおいをクンクンかいでいたせいだと思う。
そう、母はそうやって、腐敗物から家族を守っていたのだ。
ぼくもその影響をうけて、なにかにつけて鼻をきかせていたから、昔は鼻がとても高かったものだ。

ところが、賞味期限なんてものができたおかげで、いまやぼくの鼻はやたら退化し、やたら低くなってしまっている。
科学の進歩も考えもので、いまに人間は、自動賞味期限測定器をなんてものを考え出し、一家に一台おくようになるんじゃないだろうか。

おい、科学! 鼻を返せ!
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銀鏡反応

こんばんは。

そういや、最近は「鼻をきかす」ということが段々少なくなってきているような気がしています。

何をするにも“匂いをかいで”というのがなく、何でも「賞味期限」を見なkれば、安心できない。

昔はみんな日にちが経った食べ物の匂いを自分の鼻でかいでみて、少しでも変な匂いがしたら、捨てていましたよね…。

今結構毒物混入騒ぎが多いのも、ひょっとしたら鼻をきかせて匂いを確かめる、という事を私達がしなくなったからなのかな・・・。
by 銀鏡反応 (2008-10-27 19:30) 

あかみどり

少し前に立川昭二さんの「からだことば」という本を読みました。
”からだ”にまつわる身近なことばや言い回しから社会を見てみる、
そんな大学での講義を元にした内容です。
たとえば印象的だったのが、天野さんくらいの年代では”腹が立つ”
少し下は”頭にくる”、そして今は”むかつく”と同じような意味でも
腹→頭→?と”からだ”と”ことば”がそれぞれに切り離され、
”怒り”という感情がそれまでは一旦、からだを通していたのが、
拒絶反応のようになってきている、そんな言い回しが増えている
というようなこと、ほかにももちろん今回の鼻にまつわる話しなど、
数年前の講義ですが今では、より以上に腑に落ちる本でした。

賞味期限もそうですし、体温計で熱を計ったり、株価に一喜一憂したり、自分も含めて日本人全体がからだを通すことよりも”数字”で
物事を測ったり、判断したりすることが当たり前になりすぎて
マヒしてしまったのかなぁ・・・。
by あかみどり (2008-10-28 10:26) 

19さい

写真に思わず吹き出してしまいました。

こんにちは!いつもユーモラスで、本質的な独り言(?)をありがとうございます。

僕の大好きなドラゴンボールでは、クリリンだけ鼻が無いんですよ(笑)。だから、悪臭攻撃もクリリンには効かなかったのを、今、思い出しました・・・。

一方、現代っ子の僕は、ハナから鼻の利かない日々を過ごしております。

先月くらいから天野さんのブログを楽しみに読んでます。恥ずかしながらも勇気をだしてコメントしてみました!
by 19さい (2008-10-28 11:56) 

とくさん

天野さん、以前は、ピノキオだったんだ、と写真を見て
思ってしまいました。。。失礼。

五感と第六感を鍛えようと?
運動嫌いな私は、最近、長距離歩いたり、泳いだりし
始めました。

小さい頃に、
天災の前に、いつも縄跳びをしたくなていたことを思い出し、
何にもおこりませんように?と一人、心配してます。



by とくさん (2008-10-28 22:36) 

ゆきよ

私の母もものすごく鼻が利きます。それに、消臭剤のCMを嫌います。私は、そんな彼女を「のざもとさん」と名づけ、時々親しみをこめてそう呼びます。
現代人にあるまじき生活をしている人、という意味の「野猿(のざる)」に名前によくある「~本(もと)」をつけました。

ちなみに最近「本来あるものをなかったかのようにする(におい消しや美容整形外科)」商品のCMが多い気がします。それは、世の中の人々の精神にものすごく影響していると思います。
by ゆきよ (2008-10-30 00:02) 

Seineux

これはまた懐かしいお写真が。
30年くらい前でしたっけ?

私は耳に関しては音感も含めてとてつもない高性能なのですが、宇宙の神様はなかなか二物を与えてくれないケチなので、鼻はアレルギー性鼻炎でからっきしです。
食べ物を口に入れておかしな味がして、初めて吐き出すことを繰り返しています。

東京にあるお気に入りのホテルが、全館全室禁煙になりました。
その部屋でいちどでも喫煙があったら、匂いでわかって嫌がる客がいたそうです。
おかげでスモーカーの私は泊まれなくなりました。
鼻がききすぎるのも大概にしろ、と考えさせられた一件でした。
by Seineux (2008-10-31 18:49) 

gillman

ぁ、天野さんは昔はシラノ・ド・アマノジャックでしたか。失礼、それともアマノ・ド・ベルジュラックでしょうか。僕は実は二年くらい前から病気のため嗅覚が全くだめなんです。嗅覚がやられると、味も分からなくなりますね。たかが嗅覚と言いますが、命にかかわることですよね。
天野さんの言うように、食べ物の腐敗がわからないのはもちろんですが、ガス漏れが分からない、鍋の焦げ付いたのに気がつかない。この間は締め切った風呂場のペンキを塗っていてめまいがしました。カミさんが帰ってきてシンナーの匂いが充満しているのに気がついて窓を開けてくれるまで気がつきませんでした。危なく倒れるところでした。
嗅覚のあるうちに、危険なものの匂いをもっと嗅ぎわける訓練をする必要がありますね。例えば、小泉さんの匂いとか、麻生さんの匂いとかも。

by gillman (2008-11-02 07:24) 

根本久子

ひゃっひゃっひゃっひゃ。「あんころじい最近どうしてるかな」と思ったら(馴れ馴れしくごめんなさい)ハナが低くなっちゃってました。天野さんは人一倍鼻がきく方だと思っていたら、生き抜くためでしたか。納得〜。私は何でもかんでも人のせいにして告訴するアメリカ人を見て、「おい法律(もしくは権利)、責任感と羞恥心を返せ」って思います。なんにしても過保護はいけませんね。食品を扱う人たちの善意を問いたいのはもちろんですが。
by 根本久子 (2008-11-02 13:16) 

けいじ

パンがパサパサになったことや、みかんにカビが生えたことはよくありましたが、
食べ物がくさったにおいというものはあまり知りません。
中学生のとき理科の授業で「硫化鉄に塩酸を加えると硫化水素が発生し、
たまごがくさったにおいがする」と言われても、いまいちピンとこなかったのを覚えています。

以前テレビで外国の露店を見ていたとき、商品の魚に虫がたくさんたかっていたのを見て驚きました。
日本ではカステラにハエが止まったらその部分を取り除いて捨てるというのに。

食べ物を床に落したとき、
「3秒以内に拾えば大丈夫」とか
「5秒以内に拾ってふーって吹きかければ大丈夫」という話をたまに耳にします。
もしかしてこれは家や地域によるバリエーションがあるのかもしれません。
調べてみると面白いかもしれませんが、
「床に食べ物を落したときどうしてる?」
なんて人に聞いてまわるのはちょっと恥ずかしいです。
by けいじ (2008-11-02 21:52) 

あまの

「銀鏡反応」さん。
感覚機能だけじゃなく、生活の知恵もどんどんなくなっていきますね。科学のカプセルの中でしか、人間はもう生きられないようです。

「あかみどり」さん。
立川先生には、ぼくもいろいろ教わりました。とてもやさしい人です。

「19さい」さん。
19さいというからには、若者ですね。若い人にも読んでもらえるのは、とてもうれしいことです。

「とくさん」さん。
そう、信じられるのは、自分のからだだけです。三日坊主にならぬように。

「ゆきよ」さん。
そうです。そのとおりです。「デオドランド」なんて言葉が世に出るまでは、体臭なんてものは存在しませんでした。「口臭」という言葉が、口臭をつくりだしたのです。

「Seineux」さん。
鼻がききすぎるのも、目が届きすぎるのも、口が達者すぎるのも、考えものですね。なにごとも、「いい加減」がいちばんです。

「gillman」さん。
シラノ・ド・アマノジャックです。正体、見破られましたか。

「根本久子」さん。
年々鼻が低くなって、来年あたりから顔にめりこみそうです。かわらないのは、口の悪さだけです。

「けいじ」さん。
お客の残したものは別のお客に出す。天下の吉兆まで、そんなことをする世の中です。床に落としたものは、知らん顔して元に戻しましょう。(ただし、自分のものの場合は除く)













by あまの (2008-11-02 22:36) 

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