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最後の歌 [ことばの元気学]

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10月17日、「河野裕子さんを偲ぶ会」に京都へ行ってきた。たくさんの人が集まって、河野さんとの別れを惜しんでいた。

手をのべてあなたとあなたに触れたきに息が足りないこの世の息が

亡くなる前の数日は自分で筆をとることができなかったそうで、これがご夫君の永田和宏さんが口述筆記で書きとめた最後の歌ということだった。
ぼくは短歌のことはまったくの素人だが、この人の言葉は、すべてが《裸身》の強さを持っていた。まっすぐで、飾り気がなくて、こんなに勁い言葉を持っている人は、ぼくはほかに知らない。

あんたらの気持ちがこんなにわかるのに言ひ残すことの何ぞ少なき

死の前日まで歌を作りつづけた河野さんを、「生まれながらの歌人だったのだと思う」とご夫君の永田さんは書いている。

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