人間の安全保障

沖縄の人たちが、鳩山さんを「裏切り者」と呼んで怒る気落ちはよくわかる。そりゃ、怒るよね。
でも、ぼくはあえて、沖縄の基地問題に火をつけたという点で、鳩山さんを評価したい。（内閣機密費はもらってないけど）
で、いま大切なことは、この火を消さないこと。火事なんかなかったことに、絶対にしないことだ。
菅さんも｢鳩山さんのやってきたことを引き継ぐ」と言ったからには、一日も早く沖縄から基地がなくなることに全力をあげてほしい。

だいたい、ぼくが子どものころにできた米軍の基地が、ぼくがこんなジジイになってもなくならないって、どう考えたってヘンだよ。アメリカと仲良くするのはいいことだけど、それとこれとは別だって。
米軍の基地がなくなったら、すぐどこかの国が日本を攻めてくるなんて、そんな話にのせられるほど、わしゃまだボケてないぞ。

安全保障っていうけどさ、「国家の安全保障より人間の安全保障が優先されなければならない」って、たしか国連で難民問題に取り組んでいた緒方貞子さんが言ってたけど、ほんと、そうだと思う。
沖縄の人たち、とりわけ基地周辺の人たちって、安全が保障されてると言えるかね。いのちの安全だけじゃない、心の安全も含めての話だ。

菅さん、がんばってね。
お師匠さんの故・市川房枝さんが、「同行二人」で一緒に歩いていることを忘れずに。

＊市川房枝さん（１８９３～１９８１）日本の婦人運動の先導者。元参議院議員。若い日の菅さんは、この人のもとで働き、この人のもとで育った。