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定額給付金の「正しい」使い方 [ことばの元気学]

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出ました!
定額給付金で空を飛ぼう!
東京・大阪・名古屋から沖縄や札幌へ、JALの定額給付金記念バーゲンフェアを利用すれば、一律12000円で行けるという。安いというだけではない、運がよければ、機内で「バカボンのパパ」のかっこをした女性の搭乗員に会えるかも知れないのだ。

JALだけではない。このテのことに関しては、商魂たくましいというか、便乗精神旺盛というか、
定額給付金をねらって少しでも儲けようというアイデアが、北から南まで、いまやこの国にはあふれかえっている。
が、その中でもJALのうまいところは、定額給付金の12000円とまったく同額で空の旅を売ろうというところだろう。
どうせ棚から落ちてきた12000円である。それなら、ちまちま使うより、いっぺんに丸ごと使ってしまうほうが、なんとなく後味がよさそうな感じがする。そう、これが9800円では中途半端だし、13000円ではまったく意味がなくなってしまうのだ。

もちろん、ちまちま使っても、別にかまいはしない。どう使おうと使う人の勝手である。が、ユネスコに寄付してしまったりするのだけはいけない。
そう、それは断じていけない。個人消費を増大させ、少しでも世の中を景気づけようという国の方針に反する。政府の温かいお心を無にすることになる。麻生さんだって、消費の刺激効果をあれだけ強調してきたんだから、決してそんなところに寄付などしないはずだ。

ここはひとつ、うな丼の「松」を食って、「やっぱり松は梅よりうまいなあ」と叫ぶとか、
タクシーにワンメーターの距離だけ乗って、710円の料金に対して100円玉を8個渡し、「釣りはとっときな」と、粋なせりふを残してタクシーを降りるとか、
「100円ちょうだい、100円ちょうだい!」とせがむ子どもに、ぽんと500玉をひとつやって、「お前の考えはちいせえなあ」と嘆いてみるとか、
そういうふうに使わなければいけないのだ。

というわけで、定額給付金をもらっても、もちろんぼくは、ユネスコには寄付しない。
かといって、JALのバーゲンフェアで沖縄や札幌に行くつもりもない。
もらったら、「国境なき医師団」に寄付しようと思っているところだ。



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