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鳩の恩返し [ことばの元気学]

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木下順二さんの「夕鶴」で、ぼくがいちばん感動したのは、「つう」に布を織らせるとすごい金儲けができると村人に悪知恵をつけられた「与ひょう」が、金儲けのためにもっと布を織ってくれと「つう」に迫る場面だ。
熱心に迫る「与ひょう」の言葉に首を傾けていた「つう」が、突然、こう叫ぶ。

分らない。あんたのいうことがなんにも分らない。口の動くのが見えるだけ。声が聞こえるだけ。だけどなにをいってるんだか……ああ、あんたは、あんたが、とうとうあんたがあの人たちの言葉を、あたしに分らない世界の言葉を話し出した……ああ、どうしよう。どうしよう。どうしよう。

民話の「鶴の恩返し」は、木下さんの筆で見事な舞台劇に昇華したが、民社党の「鳩の恩返し」のほうは、ひどいドタバタ劇になりつつある。
観客としては――

分らない。あんたのいうことがなんにも分らない。口の動くのが見えるだけ。声が聞こえるだけ。だけどなにをいってるんだか……ああ、あんたは、あんたが、とうとうあんたが自民党の人たちの言葉を、あたしに分らない世界の言葉を話し出した……ああ、どうしよう。どうしよう。どうしよう。

いったいこのドタバタ劇が、どういう決着を迎えるのか。
期待しないで待つことにしよう。

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写真・オペラ「夕鶴」より
絵・ISAKO
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