ＣＭソングの名作 [ことばの元気学]
野坂・桜井コンビは、「黒の舟唄」をはじめ５０曲を上回る歌を作っているが、発売元がいろいろであるために、１社からまとめて発売できないんだって。だから、全５３曲を収録したこの２枚組のＣＤはチョー貴重な非売品なのだ。
で、聴けば聴くほど、面白いんだよなあ、これが。
「バージン・ブルース」「終末のタンゴ」「大脱走」「大挽歌」「大懺悔」「大拘泥」「沖縄鎮魂歌」「赤瀬川夜曲」（老人力の唄）「トマソン音頭」「アイとセイ」（佐藤愛子さんと田辺聖子さんだって）「シャボン玉こわれた」などなど、笑い茸とトリカブトとドクダミをたっぷり煮込んだような、面白いソングブックである。
で、おすそわけに、１曲、前からぼくが好きだった「生キ残レ少年少女」というＣＭソングの１番の歌詞だけ、ご紹介しよう。
桜井さんのノートによると、「１９９８年、アメリカからコメ市場開放をセマられコマった農協の依頼を受けて、愛国的コメＣＭを制作した」とある。日本農業の応援歌。歌はもちろん野坂さんだ。
ひどい世の中じゃー こわい世の中じゃー
信じられるのはオコメだけ 信じられるのはオコメだけ
ひどい世の中じゃー こわい世の中じゃー
少年少女生キ残レ オコメを信じて生キ残レ
哀しい想い出ハングリー
ネバネバ・ノーモア・ハングリー
愛農 愛農 愛農農農 農協ー 農協ー
女はアイキョー 坊主はオキョー
オコメのことなら ノーキョー
ＡＧＲＩ！ ＪＡＧＲＩ！
ＪＡＰＡＮのブンカは 田ンぼじゃ 田ンぼじゃ
ＡＧＲＩ！ ＪＡＧＲＩ！ ＪＡＧＲＩ－ＣＵＬＴＵＲＥ！
ちなみに、冒頭の写真は、このＣＭソングと一緒のときにつくられたポスターだけど、たまたま昭和天皇の重い病いの時と時期が重なって、農協が駅張り直前に張るのを自粛してしまった。
竹下通りで米俵を担いでいる軍服の男は野坂さん。いいポスターなのになあ。
ちっとも古くなってないし、いまからでも張ればいと思うけどなあ。
