怒りの広告 [ことばの元気学]
原爆で廃墟になった長崎の町に、この少年は立っていました。
背中におぶった女の子はもう死んでいます。
少年は、唇を噛んだまま、身じろぎもせずに立っていました。
写真を撮ったのは、アメリカ人のジョー・オダネルさん。
アメリカ軍の一員として焦土の長崎にやってきたオダネルさんは、私用のカメラで、長崎の被災者たちの痛ましい姿を撮りました。
これはその中の1枚で、オダネルさんがいちばん愛着を持っていた写真だそうです。
自分たちの犯したあまりにおぞましい犯罪に、オダネルさんは、長崎で撮った写真のアルバムを、40年間封印していました。
が、その封印を解いて、原爆の恐怖を多くの人たちに訴えようと各地で写真展を開くようになります。
「自分の国を告発するなんて、お前には愛国心がないのか」と、あちこちではげしい非難をうけましたが、オダネルさんは活動をつづける。
「同じ人間が、なぜこんなことをしてしまったのか」
その活動は、オグネルさんの死後も、息子さんに引き継がれて、いまもつづけられています。
8月7日の「NHKスペシャル」――「解かれた封印・米軍カメラマンが見たNAGASAKI」、見ました? とてもよかったですね。
全体のツクリもよかったけれど、同時に、1枚の写真の持つ「言葉の力」を、何万語にまさるその強さを、あらためて痛感させられました。
で、思ったのですが、これ以上強い「怒りの広告」はない。
核兵器の廃絶を訴える広告は、この写真1枚あればいい、と思いました。
毎年8月には、この写真を大きく伸ばしたポスターを作って、日本中に貼る。できたら世界中の核保有国に貼る。
コピーはちいさな字で、写真の下に1行――
「死んだ妹をおぶって焼き場に立つ少年。1945年8月。長崎。撮影=ジョー・オダネル」
それだけです。それ以外に、よけいなことはいっさいいわない。
そういうことができたらいいなと、つくづく思いました。
夢物語じゃありません。ブッシュと違ってオバマは核廃絶に意欲がありそうだし、もちろん時間はかかるでしょうが、少しずつ世界はそういう方向に向かっているように思います。
そうでなきゃ、原爆で死んだ何十万の人たちは、ホント、救われませんよね。
あ、そうそう、7日のNHKスペシャルを見たISAKOさんから、「あんまりアタマにきたから、描いちゃった」と、一枚の絵が届きました。これです。
背中におぶった女の子はもう死んでいます。
少年は、唇を噛んだまま、身じろぎもせずに立っていました。
写真を撮ったのは、アメリカ人のジョー・オダネルさん。
アメリカ軍の一員として焦土の長崎にやってきたオダネルさんは、私用のカメラで、長崎の被災者たちの痛ましい姿を撮りました。
これはその中の1枚で、オダネルさんがいちばん愛着を持っていた写真だそうです。
自分たちの犯したあまりにおぞましい犯罪に、オダネルさんは、長崎で撮った写真のアルバムを、40年間封印していました。
が、その封印を解いて、原爆の恐怖を多くの人たちに訴えようと各地で写真展を開くようになります。
「自分の国を告発するなんて、お前には愛国心がないのか」と、あちこちではげしい非難をうけましたが、オダネルさんは活動をつづける。
「同じ人間が、なぜこんなことをしてしまったのか」
その活動は、オグネルさんの死後も、息子さんに引き継がれて、いまもつづけられています。
8月7日の「NHKスペシャル」――「解かれた封印・米軍カメラマンが見たNAGASAKI」、見ました? とてもよかったですね。
全体のツクリもよかったけれど、同時に、1枚の写真の持つ「言葉の力」を、何万語にまさるその強さを、あらためて痛感させられました。
で、思ったのですが、これ以上強い「怒りの広告」はない。
核兵器の廃絶を訴える広告は、この写真1枚あればいい、と思いました。
毎年8月には、この写真を大きく伸ばしたポスターを作って、日本中に貼る。できたら世界中の核保有国に貼る。
コピーはちいさな字で、写真の下に1行――
「死んだ妹をおぶって焼き場に立つ少年。1945年8月。長崎。撮影=ジョー・オダネル」
それだけです。それ以外に、よけいなことはいっさいいわない。
そういうことができたらいいなと、つくづく思いました。
夢物語じゃありません。ブッシュと違ってオバマは核廃絶に意欲がありそうだし、もちろん時間はかかるでしょうが、少しずつ世界はそういう方向に向かっているように思います。
そうでなきゃ、原爆で死んだ何十万の人たちは、ホント、救われませんよね。
あ、そうそう、7日のNHKスペシャルを見たISAKOさんから、「あんまりアタマにきたから、描いちゃった」と、一枚の絵が届きました。これです。
ボクは本を読むことが好きです。
多くの本好きがそうであるように、学校の図書館や公民館の
図書室に本屋などヒマさえあればよく通ったものです。
今もそれはあまり変わらないのだけれども、中学校の図書室だけは
避けていました。
入り口すぐにある一枚の写真が理由です。
ボクの広島時代での出身中学は戦前からあった学校で、
爆心地から少し離れていたとはいえ、被爆は免れませんでした。
写真はその当時の校舎を写したもので本当かどうかはともかく、
校庭に死んだ人が埋められたとかそういった噂話がたった一枚の
写真を目にするたびに頭の中で映像化されて、何だか怖くて
あの写真のある図書室だけは意識的に避けていました。
多感だったあの頃の思い出です。
by あかみどり (2008-08-11 09:56)
お久しぶりです。
ブログ、ずっと読み逃げしてましたm(__)m
私もこの番組を見てました。
この少年の写真を見たとき自分の息子だったら…と考えました。
ISAKOさんも見ていらしたのですね!
久しぶりにISAKOさんの絵を見れて嬉しいです。
この絵からは悲しさが感じられます。
by たんぽぽ (2008-08-11 13:54)
広島と長崎に原爆が落ちて、毎年その式典が放送されますね。
娘にとってはきっと初めての出来事としてココロに映ったのでしょう。
「かあちゃん、これはなにしてはるの?」
ああ、ちゃんと伝えて教えていかねばならないんだなぁ・・・と
私も自覚した夏になりました。
この写真を見ると、「蛍の墓」の兄と妹に思えて胸が痛いです。
by シモの娘 (2008-08-12 06:39)
8月7日の「NHKスペシャル」――「解かれた封印・米軍カメラマンが見たNAGASAKI」、見損ないました。
私たちにはできない兄の「きをつけい」の姿勢の良さと、亡くなった妹の
だらんと力なく傾いた顔が迫ってきます。
オリンピック放送を見ていて、ライブで伝えるテレビのすごさと、
何度も、録画で時を無駄に使うテレビ局の最低な構成を
同時に味わっています。
by とくさん (2008-08-12 07:55)
戦争の悲劇を2度と起こさないようにしたいものです。
それでもなお、世界中で戦争が起こっていることが悲しいです。
by 自動車保険 販売店店員 (2008-08-14 21:19)
ブログ見ましたー
by ファッション (2008-08-15 01:18)
「あかみどり」さん。
その気持ち、わかります。つらいですね、その写真は。
「たんぽぽ」さん。
あの少年は、ぼくみたいに見えるんです。当時、ぼくはあのくらいの年ごろでした。
「シモの娘」さん。
ぜひ、伝えてあげてください。
「とくさん」さん。
同感です。きわめてテレビ的なるものと、きわめて非テレビ的なるものの対比が、皮肉というか、滑稽というか。
by あまの (2008-08-16 23:30)
お久しぶりです。日が経ってのコメントでごめんなさい…。
いつも考えてたのですが、せめて終戦記念日だけは、または広島・長崎に原爆が落とされた日には、テレビは1日中戦争を振り返る番組を流すといいのに…、と。
それが無理なら、夕方から夜9時までのみんながいちばんテレビを見る時間帯に、全テレビ局が戦争に関する番組を流すといいのに。
NHKはともかく、民放もそのようなドキュメンタリー番組を流してはいるのですが、いかんせん夜中の2時3時…。
戦争の記憶を風化させないために、小さな子供たちも見れる時間帯に、是非放送してほしいものです…。
長文失礼しました。
by しいたけ (2008-08-25 01:51)
はじめまして。ジョー・オダネルさんの写真は本当にこれだけで全てを語りかけてくようで衝撃をうけます。
ところで背負っているのは妹ではなく弟です。
by もち (2013-07-01 23:17)